貧しい田舎生活で決して恵まれていなかったトーニャ
今月上旬からは去年アメリカで既に公開されたフィギュアスケートを題材にした映画「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」が日本で公開され始めています。
すでにフィギュアファンの間では熱く話題になっているようです!
90年代のフィギュアスケートをリアルタイムで観ていた人たちには持って来いの内容の映画ではないでしょうか??

伊藤みどりさんの現役時代と被っているため、日本人でも当時アメリカのトーニャ・ハーディングとナンシー・ケリガン襲撃事件のことを鮮明に覚えている人は多いはずだと思います。
1994年の冬季オリンピック前に話題になった事件ですが、ハーディングの関係者が練習中のケリガンの脚を殴打して怪我させた事件でした。
その事件とハーディングの関係性や裁判の話ですが、映画はハーディングの取材を元にして作ったものです。
この映画ではハーディングの生活から、典型的なアメリカのレッドネック、いわゆる下層階級の人たちとフィギュアの世界が鮮明に描かれていることが分かります。
私も公開日に早速この映画を観に行きましたが、確かにフィギュアや事件そのもの以外、アメリカの下級階級の生活や社会からの扱われ方なども描かれていたことが印象的でした。
小さい頃のトーニャはパパっ子で、父親とよく近所で銃を持ってハンティングをしたり、車の修理も当たり前のように自分の手でこなしたりなど、色々と一般的なサラリーマン家庭にはなさそうな光景を映画で目にしました。
確か学校の写真のためのドレスがスケートのためのドレスと同じだったこと!?も印象的でしたね。
トーニャの母親も常にタバコを吸っていて娘に暴力的だったことも覚えています。
ライバルのケリガンと大違いの育ちでしたね。
そして気の毒なことに歴史は繰り返される傾向が強いのか、トーニャ自身も若く結婚しますが夫の暴力に悩まされることになります。
アメリカのトーニャと日本のみどりさんが思わず被る
多分日本人がこの映画を観ると、多くの人が伊藤みどりさんとハーディングと照らし合わせてしまうのではないでしょうか。
伊藤みどりさんも貧乏な家庭出身でしたがコーチに才能を認められて指導を受けることになり、やがて女子選手ではなかなか飛べないトリプルアクセルを試合で飛ぶようになります。
トーニャもトリプルアクセルで歴史に名前を残した女性で、アメリカではこのジャンプを試合で飛んだ初めての女子選手でした。
なんだか育ちも性格や体型の逞しさも挑戦する技も非常に似ているように思えてしまうこの二人です。
もしかしたら困難やハードルが多い環境にいたからこそ備わった根性とジャンプ力なのかもしれませんね!
ちなみにこの映画を観た後思ったのですが、リスクが高いトリプルアクセルを飛び続けるようなトーニャは、ライバルであったケリガンを怪我させて勝つといった卑怯な方法をとりたかったとはとても思えません。
そういう必要などないと自分でも自信があったのではないでしょうか??
とても気の毒に思えてしまう人生でしたが、今は息子さんもいて幸せに母親をやっているとのことですし、この人には幸せになって欲しいなと私も願うばかりです。